「個人の想い」を「組織の共創」へ変える。不確実なプロジェクトを動かすための「心の作法」と「設計図」

「やりたいことはある。でも、まだ何も決まっていない状態で、誰かに相談してもいいのだろうか?」
自治体や企業で、一人プロジェクトを立ち上げようとする「最初の一人」は、常に孤独と不安の中にいるのではないでしょうか?私もその立場が多いので、お気持ち非常に良くわかります。
先日、ある地方自治体の方と面談をしました。
彼が抱えていたのは、都会へ出た故郷の若者たちと繋がり直すための新しいプロジェクト。しかし、組織や予算の不透明さ、そして「自分のアイデアで相手の時間を奪ってしまう(テイクしてしまう)ことへの申し訳なさ」が、彼の一歩を留めていました。
このような「個人の情熱」が「組織の壁」や「心のブレーキ」で止まってしまわないために、私たちがどのように寄り添い、「共創のメカニズム」を起動させていくのか。その支援の舞台裏を少しご紹介します。
1. 「点の施策」を「線のコミュニティ」へ広げる視点
当初の相談は、東京でのイベント開催という単発の施策(点)でした。それに対し、私たちはもう一つのアプローチを提示しました。
それは、若者が地元を離れる「前」から関係性を築き、都会での新生活を支える「窓口」としてのコミュニティ機能(線)を持つことです。
- 案A: 広告を駆使した「短期集中・集客型」
- 案B: 信頼関係をベースにした「長期伴走・コミュニティ型」
出口(就職支援やUIターン)は同じでも、入り口の設計を変えることで、ターゲットとの心理的距離は劇的に変わります。複数の選択肢を提示し、それぞれのメリット・デメリットを可視化することで、個人のアイデアは「検討に値する事業案」へと進化します。
多くの場合、案Aの内容を話したら終了するのが一般的だと思います。
が、ついつい、本質的にその地域のためを想っての案Bを出してしまいました笑
2. 「相談」を「ギフト」に変えるマインドセット
社内や関係者に相談するという案が出て話していたら、聞けば相談はあまり得意ではない様子。
確に、プロジェクトが未確定な時期ほど、周囲への相談を躊躇してしまうものですよね。
でも、人は頼られることを嬉しく感じるものだよ!と、彼に2つのアドバイスを贈りました。
- 「枕詞」で心理的ハードルを下げる: 「確定ではないのですが」「私個人のアイデアなのですが」という一言を添えるだけで、相談のハードルはぐっと下がります。
- 「進捗報告」という最大のギブ: 相手の時間を奪うことに罪悪感を持つ必要はありません。相談した結果、どう動いたか、何が決まったかを「報告」すること。そのフィードバックこそが、協力者にとっての何よりの報酬(ギブ)になるのです。
私も日頃、完璧にできているかと言えば100%と言えないかもしれませんが、この瞬間は自分のことは棚に上げて笑
3. 不安を乗りこなす「ハプスタンス」と「可視化」
不確実な状況で心が折れないためには、戦略と同じくらい「スタンス(構え)」が重要です。
変化を楽しみながら一歩踏み出す姿勢「ハプスタンス・アプローチ(計画された偶発性理論・クランボルツ教授」がベース)を提案しました。

でも、「頭で分かっていても心がついていかない」と言う表情だったので、『わかるわかる!!』と思いながら(あまり知られてませんけど、繊細な性格なんです☆笑)、
『私がおすすめなのは、「知らんけど」&「私はこう思う」で心を強く保とうとしてるよ!』と、先人の知恵を伝授。
ここまで来たら、「〜〜してみようかな」と言うのが見えてきた様子。
最後に『他者と相談する際に重要なのが、「目に見える形(ドキュメント)して、目的・手段を整理し可視化して話すと、向き合って意見をぶつけるのではなく、共通の目的・目標・手段・不確定要素や懸念点も含めて、同じ方向を向いて、「じゃあどうすればよいか」が話しやすくなりますよ!』という話をお伝えさせて頂きました。

「最初の一人」を独りにしない。
いや〜、文字にしてみると我ながらお節介ですね!^^;
でも、1人で孤軍奮闘している若者を見ていたら、ついつい応援したいとスイッチが入ってしまいました。
共創とは、単に協力して何かを作ることではありません。 個人の小さな「問い」や「想い」を、周囲が関われる「仕組み」へと変換していくプロセスそのものです。
私たちはこれからも、孤独な挑戦者の横に立ち、戦略とマインドの両面から、新しい価値が生まれる「メカニズム」を皆様に提供していきたいと思います。

